2007/12/25

一年を振り返っての雑感・・・

友を訪ねて欧州三千里。最終訪問地は、11年来の友人が花留学しているオランダ南部のデンボッシュという街。先日は、彼女の住む学生寮で、アムステルダムから車を飛ばしてやってきた共通の友人R氏と飛び入り参加した韓国人留学生S君を合わせた4人で欧州お好み焼きグランドツアー最後の晩餐を楽しむことに。ささやかながらも、気の置けない友とのこうした時は何事にも変えがたい貴重なひとときだ。

今年も沢山の素敵な人に巡り合い、楽しい時を共に分かち合えたことに感謝しつつ・・・。

明晩のルフトハンザ便で3ヶ月間滞在したヨーロッパを離れ、エジプトに向かって発つ。



旅の半分以上が過ぎ去ったといえまだ数ヶ月残っている状態で過去を振り返るのは早い気もするけれど、次の大陸移動のタイミングが年末と重なってか、いま頭の中ではこの一年に自分の身に降りかかった公私にわたる悲喜交々が浮かんでは去り、去っては浮かんで走馬灯のようにかけ巡っている。



確か一年前の今頃は、日本から片道3日かけて訪ねたラオス北部の辺鄙で極度の食あたりに苦しんでいたんだっけ。仕事にしてもプレッシャーやストレスこそあれ、人間味に溢れた素晴らしい同僚や上司、お客さんとの人間関係にも恵まれてやり甲斐を感じていたから、半年後に自分が仕事を擲ってこうして旅に出ていようとは考えもしなかった。それが管理職として犯してしまったちょっとしたミスからくるストレスと、勤めていた会社の合併という大きな荒波に浚われて自分を見失いそうになる一歩手前で、所属も収入も一旦断ち切ってこれまで歩んできた人生の棚卸しをするための7ヶ月という時間を自分に与えることにした。



社会人としてまだ何もわかっちゃいない未熟な二十代の頃は、与えられたチャンスはつべこべ言わずに噛り付く勢いで仕事に取り組んできた(つもりだ)。それが三十代になると、組織の中であればそれなりに責任のあるポジションを与えられ、また社会の中における自分の置かれた環境や能力の限界も客観的に判断できるようになる。同時に、現実がいかに欺瞞や虚飾、偏見に満ち溢れていて、不平等で、くだらなくて、さもしくて、醜いか、ただそれら現実は自分を含む人間の弱さを映し出している鏡にすぎず、問題解決できるのも自分たち人間しかいないということも理解できるようになっている。



そんな今の社会を築いていく中核となる三十代半ばのこの齢になって、仕事もせず、旅という究極に贅沢な時間を半年以上自分に与えることにどんな意義があるのか。まわりの友人・知人の多くは結婚し、仕事や家庭の中で与えられた立場で各々社会的責任を全うしながら日々過ごしているというのに、たかが7ヶ月とはいえ社会貢献もせずにふらふらと放浪するという選択が正しかったのかどうかは4ヶ月以上たった今もよくわからない(楽しいことには間違いないけれど)。いま胸を張っていえることといえ ば、他人になんと言われようと今回の決断にまったくの後悔はないということ、ただそれだけだ。



三十代の折り返し地点を前にして旅を終える自分が、今後どこで何をしているのか。五年後はおろか一年後のことさえ今は予想がつかないけれど、旅を通して世界中の様々な人々と交流する中で、『自分にできること、自分がやらなければならないことで且つ喜びを感じることができるもの、自分の人生において必要としているもの』の具体案は色々と見えはじめてきた。



無目的に生きるには人生は長すきるけれど、目的を持って生きるには人の一生なんてほんとあっという間だ。ぼやぼやしてる暇なんかない。けれども、今はとにかく残りの旅の一瞬一瞬を大切にしながら存分に楽しむことにしよう。 詰まるところ、7ヶ月という「人生の寄り道」の良し悪しを決めるのは、他ならぬ自分自身なんだから。

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