2007/12/22

只今、旅の第三章に向けて準備中…

2007年も残すところ10日となった。

毎年、大晦日も差し迫ったこの頃になると、街は忘年会帰りの酔っ払いやクリスマス・お正月商戦の最後の追い込みで騒々しい。もっとも、私は昔からそれほど買物好きではなかった上に最近は物欲もめっきりなくなり、人混みにわざわざ自ら飛び込んでいくような無駄に体力と精神力を消耗する行動はせずに専ら自宅で茶でも啜りながら普段通り過ごすことが多いけど、それでも年末が近づくにつれてなんとなく気分がそわそわして落ち着かなくなったものだ。

それが今年は遠く離れた欧州にいるからか、もしくは旅という日常のルーティーンからかけ離れた空間にどっぷりと浸っているからか、いつもの気忙しさはなく何とものんびりしている。先週日曜日に7週間の欧州周遊を終えてオランダに戻ってきてからは、凍てつく寒さに外出しようなんて気にまったくならなず、完全にデブショーと化してしまっている。えっ、デブ症?いやいや、“出不精”です。もっとも、この2ヶ月、訪ねた先々で毎日のように歓待を受け続け、ジョギングもサボり続けた結果どちらで解釈しようともあながち冗談ですまされないぐらい横にも立派に成長してしまったが・・・神から天罰が下される前にさっさと次の大陸へ移動しないと。

そんなわけで、今はほぼ終日屋内でまったりしながら骨休みをしつつ次の旅に向けての準備を進めている。クリスマス明けの26日から始まる旅の第三章ともいえるエジプト・インドは今回の旅のハイライト。どちらも初めて足を踏み入れる国だし、治安・衛生面においてもアメリカやヨーロッパを旅するのとは勝手が違う。(しかもこの4ヶ月間のうち、半分は友人や元同僚宅で世話になっていたし。) ましてや女一人旅ということで危険な状況に自分を陥れないためにも周到な準備が欠かせないため、本を読んだり*、ネットで情報収集したり、現地出身の友人やその伝をフル活用させてもらいながら計画を練っているというわけだ。

(*先日は友人から借りた中谷美紀の「インド紀行I」を一気に読んだ。元々TVドラマには興味はなく芸能人にも疎いので彼女の女優としての演技力の程知らないけれど、初めて写真を見たときは、物事の本質を見抜くような鋭い眼差しを持つ頭の良さそうな人だなという印象はあった。この本は、女優中谷が北部インドをひとりバックパッカーとして38日間周遊した時の旅日記となっている。リズム感ある文章は小気味よい。女優という社会的地位に胡坐をかかず、常に己の立ち位置を客観的に確認しながら、自分の身に降りかかった出来事や旅先で出会った人々をよく観察している。行く先々でインド人に振り回され喜怒哀楽を包み隠さずにいながら、それでも己の弱さを含め謙虚にあらゆる事象を受け止めようとしている姿勢には好感が持てた。バイブル的「深夜特急」もいいけれどこちらもお勧めです。)

旅の荷物も、この4ヶ月で本当に必要なもの、あれば便利だけれど無くても何とかなるもの、まったく不要で何でこんなもんずっと持ち運び続けてきたのかと自分の間抜けさにあきれるような代物まで見分けがつくようになったのでここで一息に整理した。読んだ本は日本に送り返すか友人に寄付。これから始まるハードボイルドな(?)バックパック旅行に、正装用スラックスはいらない。ヨーロッパでは活躍した冬物コートもブーツも汗と埃が似合うバックパッカーには不釣り合いだ。トルコの挙式用にもってきたハイヒールもまあまず履く事はないしマニキュアもいらない。マニキュアがなければエナメル落としだって不要。化粧品だって基礎化粧品以外はこの際思い切って廃棄処分した。さあ、これからは基本はスッピン顔だ。これで変な男に接近される可能性は少しは減っただろうし、しつこく付きまわされたとしても友達から借り受けた偽物指輪を左薬指につけ、友人の彼氏の写真を携帯しておけば既婚者を装って適当にあしらうことができる。「声をかけられることを想定してなんて、タコボウズさん、あなたどこかで頭でも打って何か勘違いされてるんじゃあない?」と言うなかれ。日本ではナンパなるものをほとんど経験したことのない私でさえ、ムスリム圏では女ひとり旅と見ればそれこそ犬まで寄ってくる。少なくともトルコではそうだった。ここで「私って結構イケテルのかしら?」と勘違いしてノコノコとついていく日本人女性旅行客も多いと聞くが・・・まあ自分が何をやっているのかわかった上でアバンチュールを楽しみたいというのなら私の知ったこっちゃないですが・・ここは気を引き締めていくことにしよう。

そんなこんなで日本出発時には担ぐこともままならなかったバックパックも、20キロ以下に重量を減らすことができた。これからは何とか背負って歩くことが出来そうだぞ。それにしても、無駄なものを次から次へとそぎ落として身軽になっていくというのは何とも爽快で気持ちがいい・・・と書きながら、ふと、自分の腹回りに視線を落としてみた。ああ、何が無駄って、一番余計なものが腰周りにまだたんまりと残っているではないか~!これから暖かい地域に南下していくというのにこの2ヶ月で皮下脂肪を蓄えて冬篭り万全状態となってしまったなんてまったく皮肉なもんだ。いやはや、いくら一生に一度の機会で調子に乗っていたとはいえ、食道楽もほどほどにしなければ。とほほ・・・(涙)。

0 件のコメント: