2007/12/02

スイスで出会った世界の旅人たち (World travellers in Switzerland)

話が少々前後してしまったけれども、ドイツ・ミュンヘンに移動する前、スイス・ルツェルンから西へ25Kmほど離れた郊外の小さな町Giswilに4日間滞在した。

お世話になったのは、ストックホルムのユースホステルで知り合った台湾人の友人Pさん(とスイス人BF、Bさん)。宝飾デザインのビジネスを自ら切り盛りしながら、資金を稼いではインド・ネパール・パキスタンなどハードコアなバックパック旅行に出るプロの旅人だ。他者を気遣い、インドでボランティア活動に従事するなど社会的弱者を労わる優しい心を持ちながら、一方で周囲に流される事のない芯の強さを兼ね備え、独立精神が旺盛で、自分の生き方についても数々の挫折やサバイバル経験に基づいた哲学を持っている。同世代の女性同士、共に世界旅行中ということもあってかすぐに意気投合し、僅か1日だけ共に時間を過ごしただけなのに「出会うべくしてであった」と、何か強い絆のようなものを感じさせる人だった。

そんな彼女から「彼と一緒に、スイスの農家民宿に3週間宿をとったからよかったら遊びにこない?」と突然のお誘いを受け、プラハ滞在を短縮して、迷惑も顧みずにのこのことお邪魔させていただくことにした。

農家民宿は、息を呑むほど美しい3000m級のアルプスの絶景が目前に広がる、湖に面した急勾配の丘の上に立っている。築何百年の木造小屋が点在し、今にもハイジとペーターが飛び出してきそうな丘陵地帯はまさに「アルプスの少女ハイジ」の舞台そのもの。小・中学校の頃、夏休みになるたびに父親に連れられて京都近郊の山々や北アルプス、八ヶ岳などの山々を歩き回った野生児時代の本能が目覚めたのか(ん?今も野生児のままってか?)、齢も弁えずに童心に返ってすっかりはしゃぎまくってしまった。

気温が氷点下まで下がる夜は、釜に薪をくべて部屋を暖め、またPさんの彼氏Bさんがパスタやカレー、スイスの家庭料理など毎晩手料理を振舞ってくれた。Bさんは、ヨーロッパアルプスをテントと寝袋を担いでスイスから地中海まで縦走したこともあるアルピニスト。また世界中をバイクで駆け巡った経歴を持つ生粋の旅人でもある。夕飯には、Bさんの長年の友人で、これまたスイスからオーストラリアまで足掛け3年かけてバイクで旅したモータサイクリストG氏も加わり、4人でワインやビールを飲みながら毎晩深夜すぎまで彼らの冒険談、人生談義で話が盛り上がった。

世間体や既成の価値観に囚われず、自らの責任において自分の人生を切り開いてきた真の自由人・パイオニアたち。ここに集ったそんな3人の話を聞いていると・・・・・いやはや、私なんてまだまだヒヨッコだな。 (かといって、3年も旅してたら、現実に戻るのが難しそう。)

 

Bさんお手製のチーズ料理やパスタ、ケーキをつまみ、毎晩深夜すぎまで盛り上がりながら過ぎていったスイス山奥での4日間。上は薄くスライスしたチーズを小さな鉄板の上で溶かし、茹でたジャガイモにかけていただく、フォンデュと同じぐらい一般的なスイスの田舎料理『ラクレット』。


手際よくチャッチャとアップルパイをこしらえるBさん。











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