"Don't (Didn't) you miss Japan at all?"(日本が恋しくならない?)
"Which city did you enjoy most?"(どの都市が一番楽しかった?)

もっとも、それらの都市に移住して暮らすとなれば欲求レベルも異なってくるだろうし話は別かもしれない。でも少なくとも旅人でい続ける限り、自分はその土地に属さない外部者であるということ、世の中万事すべて留まることない移ろいゆくものであるという事が毎日感覚的に理解できるようになっていて、嫌なことも時間が経てば思い出の一ページになるということが頭でわかるようになっている。だから、何かが満たされない状況に遭遇したとしても、そのことを嘆くことなく、不快な思いすら楽しむべく『今』という時を充実させようと考えるようになるのだろう。よって、冒頭の『今まで廻った世界中の都市の中で、どこが一番楽しかった?』という質問は、一番答えに窮する。訪れたすべての街は『その時、その場所に存在していた瞬間においてはすべてが楽しく、印象的であった』というのが本当のところなんだから。正直、日本を懐かしんでいるような時間なんてまったくなかった。

とまあ、これは私の個人的な好みと勝手な見解であって、風呂・温泉文化が万人に受け入れられる普遍的なものだという裏づけも確信もまったくあったもんじゃあないけれど、日本の冬の風物詩である露天温泉を遠いかの地で懐かしみながら、漠然と文化交流兼開発援助案を考えている時に偶然にもヒマラヤ山中で露天風呂*に入ることができたのだから、私の興奮がいかほどのものだったか、ご想像いただけましょう。宿から徒歩20分ほど谷を下っていかなければならなかったのが玉に瑕だったものの、もうとにかく10ヶ月ぶり、しかも3日間毎日6時間歩き続けた後の露天風呂はまさに極楽そのもの。以下は、極楽気分満喫中の証拠写真でーす。(*この露天風呂が日本の援助によるものなのかどうかは調べていません。)

写真1. ポーターのDさんとトレッキングガイドB君、入浴中

写真2. タコボウズ入浴中 (お見苦しい画像のため、割愛いたしました)

写真3. 2時間の入浴後 『今夜は、ビールが飲まいぞー!』